「防刃チョッキって本当に意味があるの?」
「刃物攻撃を完全に防げるわけじゃないって本当?」
「普段使いできる防刃ウェアってあるの?」
数多くの凄惨な事件や事故の報道を目にし、防犯対策の重要性が高まっている昨今、思わぬ攻撃から身を守ってくれる防刃アイテムに注目が集まっています。
しかし一方で「防刃チョッキは意味ない」という意見を聞くこともあります。それは本当でしょうか?
この記事では、防刃チョッキを含めた防刃ウェアの弱点、デメリットについて詳しく解説。
また、その弱点やデメリットを克服した防刃ウェアをご紹介します。
「防刃チョッキは意味ない?」弱点を克服する最新防刃ウェアの選び方
- 防刃チョッキはなぜ「意味ない」「効果ない」と言われるのか?
- 意味がないと言われがちな理由 その①【防刃チョッキは突き刺しに弱い。刺さる。】
- 刺突対応の防刃ウェア
- 意味ないと言われがちな理由 その②【普段使いしづらい】
- 防刃Tシャツ
- 薄型防刃インナーベスト
- 空調機能付き防刃ベスト
- 防刃スーツベスト
- 防刃ブルゾン
- 普段使いに最適なオシャレ防刃パーカー(ひろゆき氏が開発)
- 薄型の女性用防刃チョッキ、防刃ベスト
- 意味ないと言われがちな理由③【限られた部位しか護れない】
- 上半身以外を護る防刃ウェア
- 防刃バッグ【リュック、トート、斜めがけ】
- 結論:弱点はあるが、着用しないよりは絶対に着用した方が良い!
- 防刃ウェアはどこで買える?
- 防刃ベストはワークマンで買える?
- 過信はせず、逃げることを最優先に!
- 防刃ベストの耐用年数は?
- 防弾チョッキと防刃チョッキの違いは何ですか?
防刃チョッキはなぜ「意味ない」「効果ない」と言われるのか?

防刃チョッキを含む防刃ウェアの多くは「耐切創性」に優れており、刃物による切りつけ攻撃から身を守ることができます。しかし、一部の人々から「意味がない」や「効果がない」と言われることがあります。
- 全ての攻撃を完全に防げるわけではない
防刃ウェアは刃物による攻撃を軽減するための防具ですが、全ての攻撃を100%防げるわけではありません。防刃ウェアの素材によっては、突き刺し攻撃や強い力が加わった場合、貫通する可能性があります。 - 着心地が悪い&見た目がダサいので普段使いできない
防刃ウェアは、通常の服に比べて通気性が悪く、重いため長時間の着用が負担になることがあります。またデザイン面も一般的な服と異なるので「常に着用するのはちょっとなぁ…」となってしまいます。 - 防護範囲が限られている
防刃チョッキをはじめとした多くの防刃ウェアは上半身を守ることを目的としています。そのため、腕や脚、首などの部分は無防備になります。
恐らくこういった要素から「防刃チョッキは意味がないのでは?」という意見が出るのではないかと思います。
では、本当に防刃チョッキ等の防刃ウェアは意味がないのでしょうか??
意味がないと言われがちな理由 その①【防刃チョッキは突き刺しに弱い。刺さる。】

防刃性能には、以下の2つの基準があります。
- 耐切創(切りつけ耐性):刃物での切りつけに対する耐性を示す
- 耐刺突(突き刺し耐性):先の尖った武器(アイスピックや千枚通しなど)による貫通を防ぐ性能
一般的な防刃ウェアは切創(切りつけ)には強いものの、鋭利な刃先が繊維の隙間を突き破るような突き刺し攻撃には弱い場合があります。
その点では、確かに万が一の時の防護性能に不安が残ると言えるかもしれません。
- EN388規格(欧州規格)
「A(最低)~F(最高)」の6段階で評価され、Fレベルが最も高い耐切創性能を持つ。 - ANSI/ISEA 105規格(アメリカ規格)
レベル0~9までの評価があり、レベル9が最高耐切創性能。 - ISO13997規格(TDMテスト)
ナイフがどの程度の圧力で布を切断できるかを測定し、A~Fの6段階で評価。
刺突対応の防刃ウェアが増えている
しかし、防刃ウェアの進化により、現在では刺突攻撃にも対応した製品が増えています。
刺突攻撃に備えたい場合、商品説明に以下の3点があるかチェックしてください。
どんな基準、規格、試験があるかは、以下を参考にしてください。
*刺突耐性の国際基準・規格・試験について
*他にも様々な国、メーカーによって独自の基準・規格・試験があります。
これらの基準を満たした防刃ウェアは、刺突攻撃への耐性が高いとされていますので、購入の際の参考にしてください。
刺突対応の防刃ウェア
刺突対応と記載されている防刃ウェアをいくつかご紹介します。



意味ないと言われがちな理由 その②【普段使いしづらい】

防刃ウェアには防御性能を高めるために特殊な素材が使われているため、通気性が低く、着心地が悪いというデメリットがある場合が多いです。
さらに、デザインが一般的な衣服とは違い特殊なものが多いため、普段着として取り入れるのが難しいと感じる方も多いでしょう。
本来であれば、不測の事態に備えて常に防刃ウェアを着用しておきたいところですが、着用のしづらさや見た目の問題がネックになり、日常的に身に着けるのが難しいのが現状です。
しかし最近では、普段着の中に着用できるインナータイプや、普段着と変わらないデザインの防刃ウェアも増えています。
いくつかご紹介しますね。
防刃Tシャツ
薄型防刃インナーベスト

空調機能付き防刃ベスト

防刃スーツベスト

防刃ブルゾン

普段使いに最適なオシャレ防刃パーカー(ひろゆき氏が開発)
「おしゃれで普段使いしやすい」と注目されているのが、実業家のひろゆき氏が開発に関わった防刃ウェアです。

日本の技術を活かし、アラミド繊維100%で作られた高耐久の防刃ウェア。同社の製品は、消防庁のガイドラインに準拠した耐火性能や、耐切創レベル3Cの高い耐切創性を持ち、身体を守ることを重視しています。
商品ラインナップには、半袖Tシャツ、長袖Tシャツ、パーカー、ジップアップパーカーなどがあり、アラミド繊維の高い強度と耐久性を備えつつも日常使いしやすいデザインが特徴です。
女性にも最適!
薄型の女性用防刃チョッキ、防刃ベスト
一般的な防刃チョッキは男性向けのデザインやサイズが多く、女性はちょっと着用しにくいという問題があります。
そこで、普段着の下に着用出来る女性向け薄型防刃ウェアを探してみました。


これであればファッション性を損なうことなく着用できますね♪
意味ないと言われがちな理由③【限られた部位しか護れない】
防刃チョッキは、主に上半身を保護する目的で設計されています。胴体以外の部位に対する防護性能は限定的であり、この点が弱点として指摘されています。特に、以下の部位は防刃チョッキだけでは守れません。
上半身以外を護る防刃ウェア
防刃チョッキでカバーできない部分を保護するために、以下のような防刃ウェアが存在します。
これらのウェアを組み合わせることで、防御範囲を広げることができ、より安全性が向上します。


防刃バッグ【リュック、トート、斜めがけ】
「日常的に防刃ベストを着込むほどの対策は現実的に取れないが、普段から持ち歩けていざという時に盾となってくれる商品はつくれないか?」というコンセプトで発案されたのが「SSPトート」です。

以下の2点は、身体保護目的ではなくあくまでも盗難防止のための防刃バッグですが、切り裂きに強い素材でできているため、いざという時の盾として使用できるかもしれません。


*当サイトで紹介している商品やサービスのご購入・ご利用は、ご自身の判断と責任のもとでお願いいたします。万が一、不具合やトラブルが発生した場合でも、当サイトでは一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
結論:弱点はあるが、着用しないよりは絶対に着用した方が良い!
防刃チョッキにはいくつかの弱点があるものの、着用しない場合と比べると圧倒的に安全性が高まります。
もちろん、突き刺しへの耐性や通気性の問題など、全ての防刃ウェアが完全な防御となるとはいえません。しかし、何も身につけていない状態と比べれば、攻撃を受けた際のダメージを大幅に軽減できます。
特に、刃物による犯罪が懸念される場面では、防刃チョッキや防刃ウェアの着用が命を守る手段となります。弱点を理解した上で、適切なアイテムを選び、状況に応じて活用することが重要です
防刃ウェアはどこで買える?
防刃ウェアは、一般的な衣料品店ではほとんど取り扱われておらず、特定の専門店やオンラインショップで購入するのが一般的です。
購入時には、以下のポイントを確認することが重要です。
防刃ベストはワークマンで買える?
本記事作成時点では、防刃ベストや防刃シャツは、ワークマンでは販売されていないようです。
過信はせず、逃げることを最優先に!
防刃チョッキなどの防刃ウェアは、刃物による攻撃から身を守るために役立つアイテムです。
しかし、「着ていれば絶対に安全」というわけではありません。過信してしまうと、逆に危険な状況に巻き込まれることもあります。
危険な状況では逃げることが最優先
万が一、刃物を持った人に遭遇した場合、防刃ウェアを着ているかどうかに関わらず、まずは逃げることを最優先にしてください。
防刃ウェアは「万が一」のための補助
防刃ウェアは、もしものときに身を守るための手段の一つですが、過信すると危険です。着ているからといって刃物を持った相手に立ち向かうのは絶対に避けましょう。
最も大切なのは「逃げること」
万が一に備えて防刃ウェアを活用しつつ、日頃から危険な場所を避けたり、防犯意識を高めたりすることも重要です。
繰り返しになりますが、危険な状況ではまず逃げることを最優先にしましょう。
参考サイト
綜合警備保障ALSOK「通り魔に遭遇した時の対応は?防犯対策について解説」
一般社団法人日本防災教育訓練センター「公衆が集まる場所で銃撃や刃物による殺傷事件が起こった際、生き延びるには?」
「防刃チョッキは意味ない?」弱点を克服する最新防刃ウェアの選び方part2
ここからは、防刃チョッキを含む防刃ウェアについてさらに詳しく解説します。
防刃ウェアの主な素材
防刃ウェアに使用される素材には、以下のようなものがあります。
防刃ベストの耐用年数は?
防刃ベストの耐用年数は、使用頻度や保管方法によって異なりますが、一般的には 5年程度 が目安とされています。ただし、以下の要因によって劣化が早まることもあります。
防刃ベストを長持ちさせるためには、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
防刃性能を十分に発揮するためにも、定期的な点検と適切な管理を心掛けましょう。
防弾チョッキと防刃チョッキの違いは何ですか?
防弾チョッキと防刃チョッキは、どちらも体を守る防護服ですが、その 目的と構造が大きく異なります。
1. 防ぐ対象の違い
防弾チョッキは銃器を使用する場面を想定しており、主に警察や軍隊が使用します。一方、防刃チョッキは刃物を使用した襲撃への対策として、警備員や一般市民でも使用されることがあります。
2. 素材と構造の違い
3. 重さと動きやすさ
4. 使用用途の違い
防弾チョッキ | 防刃チョッキ | |
---|---|---|
防ぐ対象 | 銃弾 | 刃物(カッター・ナイフなど) |
主な使用者 | 軍・警察 | 警備員・一般市民 |
素材 | アラミド繊維+硬質プレート | 高密度繊維や特殊編み込み生地 |
重さ | 約3〜10kg | 約1〜3kg |
動きやすさ | 重くて制限される | 軽くて動きやすい |
防弾チョッキは銃弾に特化した防護具のため、刃物に対する防御力は限定的です。逆に、防刃チョッキは刃物に対して優れた防御力を持ちますが、銃弾を防ぐことはできません。そのため、それぞれの用途に適した装備を選ぶことが重要です。